スマホ・タブレット・ノートPCの普及により、日常生活で必要不可欠な「Wi-Fi」。ここ数年でWi-Fi規格が劇的に進化しています。今回は無線LANとWi-Fiとの違い、最新テクノロジーである「メッシュWi-Fi」、オススメWi-Fiをご紹介します。
この記事の目次
- 1 Wi-Fiと無線LANの基本を学ぶ
- 2 無線LANを理解しよう
- 3 無線LANの配下にWi-Fi規格が存在
- 4 無線LANのパッケージ表記を理解しよう!
- 5 IEEE 802.11 b/g/n/ac 規格は必須
- 6 メッシュWi-Fiとは?
- 7 スマホを複数台同時に使うならMU-MIMOも必要
- 8 ビームフォーミングは電波の指向性を強化する機能
- 9 ドコモ光などでは「IPv6(IPoE)」は必要
- 10 オススメWi-Fiルーター10選
- 11 NEC Aterm WG2600HP3
- 12 ELECOM メッシュWI-Fi WMC-DLGST2-W
- 13 BUFFALO AirStation WSR-2533DHP2
- 14 エレコム WRC-2533GST2
- 15 TP-Link Archer AC2600
- 16 NEC Aterm WG1900HP2
- 17 エレコム WRC-1167GST2
- 18 BUFFALO WSR-1166DHP4
- 19 TP-Link Archer C6 AC1200 MU-MIMO
- 20 I-O DATA WN-AX1167GR2
Wi-Fiと無線LANの基本を学ぶ
iPhone・Xperia・Galaxyなどのスマートフォン、Windows PC 、Macbook Pro、スマートTVなど、様々なデバイスがモバイル回線やWi-Fiを介して、インターネットに繋がる時代となりました。
自宅での必須デバイスと言えば「Wi-Fi」ですよね。
まずWi-Fiを語る上で非常に重要なのは「無線LAN」が何であるか。「Wi-Fi」と「無線LAN」はイコールの関係と説明されるパターンが多くあります。概ねあっていますが厳密には少し違います。ここで、Wi-Fiと無線LANの違いをご説明します。
無線LANを理解しよう
そもそも無線LANの『LAN』は「Local Area Network」であり、日本語訳すると「同一敷地内または建物内等に構成されたローカルなネットワーク」の略語です。つまり、LANとLANで繋がっているデバイスは同一ネットワークで通信できます。
『無線』はその名と通りケーブルレスの「ワイヤレス」を指しています。
『無線』と『LAN』が組み合わされて「無線LAN」という規格が成立しています。
無線LANの配下にWi-Fi規格が存在
「無線LAN」と「Wi-Fi」はイコールの関係と記載されています。これは概ねあっていますが、厳密に言うと間違っています。
無線LANには「IEEE 802.11」という世界標準通信規格が存在しています。無線LAN機器製造メーカーは IEEE 802.11 規格に準拠して製造しましたが、同じ規格の製品同士にも関わらず、他メーカーの機器だと通信できないというトラブルが多発します。
そこで無線LAN(IEEE 802.11)製造メーカー同士が他メーカーであっても相互接続できるような通信規格を開発した規格が「Wi-Fi規格」です。
つまり、「無線LAN(IEEE 802.11規格)」の枠組み配下に「Wi-Fi規格」が存在することになります。Wi-Fi規格のデバイス同士であれば、ワイヤレスにインターネットに接続できます。今日、スマホ・タブレット・PCなどが無線LANデバイスと通信し、インターネットと繋がることができるのも、この「Wi-Fi規格」が生まれたことによる恩恵によるものです。
無線LANのパッケージ表記を理解しよう!
無線LANのパッケージには様々な表記が記載されています。よく記載されている表記としては、「IEEEE 802.11 b/g/n/a/ac」や「17333Mbps + 800Mbps」「2.4GHz」「5GHz」「IPv6(IPoE)」「ビームフォーミング」「MU-MIMO」など様々です。それぞれ重要な規格や機能を意味を表記しており、理解した上で購入することが重要です。
IEEE 802.11 b/g/n/ac 規格は必須
先ほどの無線LAN規格である「IEEE 802.11」の中にも様々な規格が存在します。現在主流な無線LANは「IEEE 802.11 b/g/n/ac」規格です。この表記が全て揃っていない無線LANは購入をオススメしません。最近では、ax規格に対応した製品も発売されていますが、対応機器が少ないのでスルーして構いません。
無線LANは「2.4GHz」と「5GHz」の2つの電波が存在します。IEEE 802.11 b/g/nは「2.4GHz」に該当します。IEEE 802.11 a/acは「5GHz」に該当します。各規格の速度と周波数帯の関係を下記表にまとめました。
周波数 | メリット |
デメリット | 規格 | 最大通信速度 |
2.4GHz |
壁などの障害物に強く、遠くまで届く | 他のWi-Fiと混線しやすい | IEEE 802.11 b | 11Mbps |
IEEE 802.11 g | 54Mbps | |||
IEEE 802.11 n | 600Mbps | |||
5GHz |
混線しにくく、速度が速い | 障害物に弱く、遠くまで届かない | IEEE 802.11 a | 54Mbps |
IEEE 802.11 ac (主流) | 6900Mbps (6.9Gbps) | |||
IEEE 802.11 ax (最新規格) | 9600Mbps (9.6Gbps) |
2.4GHzは障害物に強く、壁に貫通しやすいため、遠くまで届きやすいメリットがあります。一方で、電子レンジ・固定電話の子機・他人のWi-Fiと混線しやすいデメリットがあります。
5GHzは混線がほとんど無く、速度も非常に高速なのがメリットです。一方で、障害物に弱く、遠くまで届かないのがデメリットです。
今までは5GHzのデメリットは上記のように語られていましたが、5GHzのアンテナ技術革新やac規格普及により、2.4GHz並みに飛距離が伸びていますので、5GHzのデメリットが無くなりつつあります。
メッシュWi-Fiとは?
メッシュWi-Fiとは、ズバリ複数台のWi-Fiで部屋中をWi-Fi化する最新テクノロジーです。
一戸建てや3LDK以上のマンションなどでは、1台ハイパワーWi-Fiで全ての部屋でWi-Fiを使用できるようにするのが従来のやり方でした。しかし、3階建ての一戸建てなどを1台でカバーするのは物理的に限界があります。そこで登場したのが『メッシュネットワーク』というメソッドに基づいた「メッシュWi-Fi」です。
メッシュWi-Fiとは、Wi-Fiの親機と中継器同士が互いに通信し合うことで、網目状(メッシュ)にネットワークを構築することができます。
スマホを複数台同時に使うならMU-MIMOも必要
ハイエンドWi-Fiには「MU-MIMO」と呼ばれる規格が搭載されています。
普通のWi-Fiは1台ずつしかネットワークの処理ができません。複数台のスマホやPCを接続した際は、1台ずつ順番に処理するため、待ち時間が発生してしまいます。1台のスマホがYou Tubeを視聴している時、もう1台の通信が遅くなるのはYou Tubeの通信過多による待ち時間が発生しているからです。
Wi-FiにMU-MIMOが搭載されていれば、複数台のスマホを同時に通信できます。そのため、1台でYou Tubeを視聴していても、もう1台の通信が遅くなることはありません。ただし、スマホ側もMU-MIMOをサポートしている必要があり、Apple製スマホ(iPhone XS / iPhone X / iPhone 8 / iPhone 7など)には対応していません。
ビームフォーミングは電波の指向性を強化する機能
ビームフォーミングは電波の飛び方を制御する機能です。従来のWi-Fiでは、電波は上下左右の全方向に放射線状に放射されますが、ビームフォーミングでは「ビームフォーミング対応デバイス」に向けて電波が放射されます。
通信速度の向上・通信の安定を図ることができます。また、Wi-Fiから離れた場所や障害物が多い場所など、今まで電波が届きにくかった場所もWi-Fi化できるテクノロジーです。こちらもビームフォーミングに対応したデバイスが必要です。こちらはApple製のスマホ(iPhone XS / iPhone X / iPhone 8など)もサポートします。
ドコモ光などでは「IPv6(IPoE)」は必要
Wi-Fiに接続する有線LANの先は、フレッツ光・ドコモ光・ソフトバンク光・NURO光・J:COMなどの固定インターネットに接続されています。インターネットの接続方式は「PPPoE」と「IPv6(IPoE)」の2つ存在します。従来は「PPPoE」接続方式のみでしたが、ドコモ光・ソフトバンク光・コラボ光(BIGLOBE・ぷらら光など)の登場により、「IPv6(IPoE)」接続方式がスタンダードになりつつあります。
ドコモ光やコラボ光の契約増加に伴い、「PPPoE」接続方式の設備トラフィックが混雑しており、日中は200Mbpsの速度が出るものの、混雑ピークタイムの夕方から夜間にかけて速度が10Mbpsを切ってしまう事象が多数発生しています。
これを解決するのが「IPv6(IPoE)」接続です。ドコモ光などを「IPv6(IPoE)」で接続すると、夕方や夜間などの混雑ピークタイムでも日中と変わらない高速通信が可能です。IPv6(IPoE)接続にするには、IPv6(IPoE)対応Wi-Fiとドコモ光やコラボ光への別途申し込み(無料が多い)が必要です。特にドコモ光ユーザーには必須サービスとなります。
オススメWi-Fiルーター10選
NEC Aterm WG2600HP3
NECプラットフォームズ製の「Aterm WG2600HP3」です。IEEE 802.11 b/g/n/a/ac(2.4GHz/5GHz)サポートし、最大速度は 1733Mbps(5GHz) / 800Mbps(2.4GHz) と非常に高速。有線LANは1Gbps、IPv6(IPoE)に対応しており、フレッツ光やドコモ光などでもサクサク動作します。初心者から玄人までの幅広いユーザーから支持を得ている製品です。
- NECプラットフォームズ製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:1733Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- ファミリーにオススメ
ELECOM メッシュWI-Fi WMC-DLGST2-W
エレコム製の「WMC-DLGST2-W」です。本製品はエレコム独自規格テクノロジーが搭載された「メッシュWi-Fi」です。親機と中継器の合計2つが同梱されていながら、15,000円以下の価格となっています。一般的なメッシュWi-Fiが20,000円以上する中、非常に低価格でコスパが良い商品です。
- エレコム製
- メッシュWi-Fi
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:867Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- ファミリーにオススメ
BUFFALO AirStation WSR-2533DHP2
BUFFALO製の「AirStation WSR-2533DHP2」です。IEEE 802.11 b/g/n/a/ac(2.4GHz/5GHz)サポートし、最大速度は 1733Mbps(5GHz) / 800Mbps(2.4GHz) と非常に高速。有線LANは1Gbps、IPv6(IPoE)に対応しており、フレッツ光やドコモ光などでもサクサク動作します。初心者にも優しい設定方法を取り入れているため、設定が苦手な方にもおすすめです。
- BUFFALO製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:1733Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- ファミリーにおすすめ
エレコム WRC-2533GST2
エレコム製の「WRC-2533GST2」です。老舗アンテナメーカーのDXアンテナが監修したハイパワー内蔵アンテナを搭載し、従来品と比べてWi-Fiの飛距離や安定性が大幅に向上しています。IEEE 802.11 b/g/n/a/acをサポートし、ac規格の最大速度は1733Mbpsとなっています。
- エレコム製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:1733Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- ファミリーにおすすめ
TP-Link Archer AC2600
TP-Link製の「Archer AC2600」です。日本では聞きなれないメーカーですが、無線LAN(Wi-Fi)のグローバルシェアは45%と非常に高いメーカーです。コストパフォーマンスに優れ、細かな設定もできることから日本でもシェアが上がりつつあるメーカーです。
- TP-LINK製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:1733Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- 3年保証
- ファミリーにおすすめ
NEC Aterm WG1900HP2
NECプラットフォームズ製の「Aterm WG1900HP2」です。IEEE 802.11 b/g/n/a/ac(2.4GHz/5GHz)サポートし、最大速度は 1300Mbps(5GHz) / 600Mbps(2.4GHz) となっており、ミッドレンジモデルになります。。有線LANは1Gbps、IPv6(IPoE)に対応しており、フレッツ光やドコモ光などでもサクサク動作します。コストパフォーマンスに優れており、1Kから2LDKまでの家にオススメです。
- NECプラットフォームズ製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:1300Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- 1K~2LDKにオススメ
エレコム WRC-1167GST2
エレコム製の「WRC-1167GST2」です。老舗アンテナメーカーのDXアンテナが監修したハイパワー内蔵アンテナを搭載し、従来品と比べてWi-Fiの飛距離や安定性が大幅に向上しています。IEEE 802.11 b/g/n/a/acをサポートし、ac規格の最大速度は867Mbpsでミッドレンジモデルとなります。
- エレコム製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:867Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- 1K~2LDKにおすすめ
BUFFALO WSR-1166DHP4
BUFFALO製の「AirStation WSR-1166DHP4」です。IEEE 802.11 b/g/n/a/ac(2.4GHz/5GHz)サポートし、最大速度は 866Mbps(5GHz) / 300Mbps(2.4GHz) とミッドレンジモデルとなっています。本体も他メーカーと比較するとコンパクトに仕上がっています。有線LANは1Gbps、IPv6(IPoE)に対応しており、フレッツ光やドコモ光などでもサクサク動作します。初心者にも優しい設定方法を取り入れているため、設定が苦手な方にもおすすめです。
- BUFFALO製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:866Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- 1K~2LDKにおすすめ
TP-Link Archer C6 AC1200 MU-MIMO
TP-Link製の「Archer AC1200」です。日本では聞きなれないメーカーですが、無線LAN(Wi-Fi)のグローバルシェアは45%と非常に高いメーカーです。ミッドレンジの中ではハイスペックでありながら、4,000円を切る超コスパ商品です!1人暮らしなら非常にオススメの機種となります。
- TP-LINK製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:867Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- 3年保証
- 1K~2LDK
I-O DATA WN-AX1167GR2
I-O DATA製の「WN-AX1167GR2」です。IEEE 802.11 b/g/n/a/acをサポートし、ac規格の最高速度は867Mbps。360°放射線状に電波が広がるアンテナを搭載しており、部屋にWi-Fiの死角を作らないモデルとなっています。国産メーカーでは珍しい3年保証です。
- I-O DATA製
- IEEE 802.11 b/g/n/a/ac
- 2.4GHz / 5GHz サポート
- ac規格最高速度:867Mbps
- 有線LAN 1Gbpsサポート
- IPv6(IPoE)サポート
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- 3年保証
- 1K~2LDK