韓国LG電子が2021年4月5日にスマートフォン事業から撤退することを正式発表しました。一時はスマートフォン事業売却を目指していたもののスマートフォン事業運営よりもLGが保有する技術特許に興味を示したことにより、特許を守るため売却を断念したとのこと。
累積赤字は5000億円規模
LG電子のスマートフォン事業は2015年から6期連続で赤字を計上しており、累積赤字は5,000億円を計上。2020年12月期の売上高は5超2171億ウォン(約5100億円)で販売台数は約2,500万台でした。
LG電子は本件に対し “スマホの競争激化で事業不振が続いており、主力事業に集中する” と撤退の理由を明らかにしています。一時はドイツ自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)やベトナムの複合企業最大手のビングループと接触し、売却もささやかれていましたがその後の進展もなく不発に終わったようです。
今後は電気自動車の美品・コネクテッドデバイス、スマートホーム、ロボット、人工知能などの分野に注力するとしています。モバイル事業で培った特許や技術は6Gや他事業分野で活かし、他製品で適用するとしています。スマートフォン事業に所属する従業員は他事業に異動し、雇用を守るようです。
なお、2021年7月末にはLG製スマートフォンの販売を終了します。既存顧客に対しては引き続きサポートやソフトウェアアップデートを提供を継続する予定。7月末の事業終了後も現行モデルの在庫が残る可能性があるとしています。
2021年4月5日時点における日本国内では、NTTドコモとSoftBankが LG V60 ThinQ を販売しています。こちらも本決定に基づき順次販売を終了していくものとみられます。