【レビュー】WALKMAN NW-ZX300(Black)を買ってみた!

2017年10月7日にソニーから発売された「WALKMAN NW-ZX300 (Black)」を購入したので、レビューしてみたいと思います。

WALKMAN NW-ZX300はイヤホンレスモデルのみ!

私が今回購入したWALKMAN NW-ZX300は、イヤホンレスモデルしかありません!必ず自分自身でイヤホンを準備しておく必要があります。恐らく、このモデルを購入する方々はイヤホンにも相当こだわる人ばかりだと思います…!ちなみに、価格は約57,200円(11/20時点)と良いお値段がします。容量は64GBモデルのみ。前モデルのNW-ZX100が128GBだったことを考えると、少し寂しい気持ちになります。

 

優越感があるデザインに

カラーバリエーションは前モデルのNW-ZX100は「シルバー」のみでしたが、NW-ZX300では「ブラック」と「シルバー」の2色となっています。今回はブラックモデルを購入しました。ちなみに、ブラックモデルはアジア圏限定で発売されているそうです。ネット上には、ブラックとシルバーで音質が違うと記載されていますが、余程のマニアでなければ分からないレベル。少なくとも、私は分かりませんでした…。

 

大きさはiPhone 7より2回り小さく、片手で持ちやすいサイズに仕上がっています。重量は約157gと、一般的なスマホと同等な重さとなっています。

 

 

 

ブラックモデルは液晶ディスプレイがオフな状態だと、フロント全面がディスプレイのように見えます。

 

 

 

ディスプレイは3.1インチのため、フロントの約3/5がディスプレイとなります。ディスプレイは非光沢仕様になり、屋外での視認性も向上しています。ディスプレイサイズこそ、NW-ZX100と同じですが、NW-ZX300ではタッチパネルが採用されています。

 

 

 

左サイドには、mciroSDスロットが装備されています。なお、NW-ZX300の生産国はマレーシアとなっています。

 

 

 

右サイドには、上から順にボリュームボタン・早送り/再生/巻戻しボタン・HOLDボタンという構成となっています。タッチパネルを見なくも操作でき、ポケットの中でも曲の早送りやボリュームの調整ができます。

 

 

 

上部には、「バランス出力」に対応した4.4mmのヘッドホンジャック、3.5mmのヘッドホンジャックの2つを装備しています。どちらにも対応しているため、お手持ちのイヤホンでも問題なくお使いいただけます。当然のことながら、音質が良いのは4.4mmヘッドホンジャックとなります。

 

 

 

下部には、パソコンと本体を通信する「WM-PORT」を装備しています。NW-ZX300から、USB Audioをサポートしたため、NW-ZX300を「USB DAC」として使うことができます。

 

操作性が大幅に向上

NW-ZX100から操作性が変更となっています。OSは、引き続きソニー独自OSですが、NW-WM1AやNW-A30シリーズと同じものとなりました。そして、タッチパネル搭載となり、スマホのように操作できるようになりました。

 

 

画面下部にある操作バーは常時表示される仕組みとなっており、左から[戻る][再生中楽曲表示][ホーム画面][設定]に推移できるようになっています。

 

 

ショートカット操作も用意されており、楽曲の再生画面で上下左右にスワイプすると、ライブラリートップ(左)・各種音質設定(右)・ブックマークリスト(上)・再生リスト表示(下)表示に素早くアクセスできます。

 

自然な音質の仕上がりに!

音質を評価するにあたり、WALKMAN NW-A30、Xperia Z5、iPhone 7をベンチマークに評価を行いました。

 

【高音域】音が気持ちよいほど伸びる!

WALKMAN NW-ZX300の最大のセールスポイントである「高音域」ですが、音の1つ1つが細かく表現され、伸びるべき音が最後まで伸びていきます!

NW-A30シリーズだと、音が最後まで伸び切らずに次の音が奏でられるため、雑な印象でした。NW-ZX300の場合、音が最後まで伸びきり、次の音も丁寧に表現されるため「歯切れのよい」高音域を楽しむことができます。

 

【中音域】埋もれなくなりました!

NW-A30シリーズやXperia Z5が苦手としてきた中音域ですが、かなり改善されています。今までは、高音域や低音域に注力されていたため、中音域が埋まり、こもったような音質でした。全体的な解像度が向上したことにより、こもった音質が改善され、「鮮明な音質」になりました。特にボーカルの声が透き通るようになり、楽曲全体の迫力が大きく向上したように感じました。

 

【低音域】脱ドンシャリ系

ソニーがハイレゾの推進を始めた頃から徐々に改善されつつある「ドンシャリ音」が遂に目立たないレベルまで改善されました。NW-A30シリーズでは、「ドンシャリ音」が改善されていたものの、今度は迫力に欠ける「低音域」となっていました。NW-ZX300では、低音域の出力が向上し、NW-A30シリーズより力強く、iPhone 7のような上品で厚みがある音質に仕上がっています。

 

イコライザの仕様が変更に…!

イコライザの仕様が変更となり、従来用意されていたイコライザの「プリセット」が無くなりました。音質は全て自分自身で設定する必要があります。

 

イコライザ編

イコライザは、31Hz / 62Hz / 125Hz / 250Hz / 500Hz / 1kHz / 2kHz / 4kHz / 8kHz / 16kHz10個の帯域で設定できます。

 

DSEE HX編

DSEE HXは、非ハイレゾ音源をアップスケーリングし、ハイレゾ化するテクノロジー。今までは[オン/ オフ]の2択でしたが、NW-ZX300からは スタンダード / 女性ボーカル / 男性ボーカル / パーカッション / ストリングス の5つのタイプから選択できるようになりました。それぞれの違いとしては、微妙に音の響き方が違う点です。具体的には、男性ボーカルであれば、男性の声の響きが強調されたような気がします。
※大きな変化はありません。たぶん。

 

少なくとも、MP3やAACの音源がアップスケーリングされることで、楽曲の解像度が増し、臨場感ある音質に仕上がります!

 

 

DCフェーズリニアライザー

アナログアンプと同じ位相特性をDSPによる演算で再現します。これだけでは分かりにくいため、初心者でも分かるように言い換えると、ひと昔前のアナログアンプの独特な深みのある音質を表現します。

こちらも タイプA LOW / タイプA STANDARD / タイプ HIGH / タイプB LOW / タイプB STANDARD / タイプB HIGH の6種類のプリセットから選択することができます。

プリセットにより音の歪み方や響き方が違います。自分に合うプリセットを試すのも良いかと思います。

 

 

ちょっと残念なところ

良い製品であるという大前提の基で、敢えて残念なところもお伝えします。

Bluetooth接続時はイコライザが使えない

iPhone 7以降、iPhoneからそぎ落とされた「イヤホンジャック」。同時に物凄い勢いでBluetoothイヤホンが普及しています。少なからず、NW-ZX300をBluetoothイヤホンと一緒に使おうと思われている方もいるかと思いますが、Bluetoothイヤホン時の場合、イコライザは有効になりません。NW-ZX100までは、Bluetoothイヤホン接続時もイコライザを有効にすることができましたが、NW-ZX300ではできなくなりました。つまり、Bluetoothイヤホン接続時の場合、音質は完全にイヤホンに依存します。

 

 

未だにWM-PORT接続

ずっと書き続けてることであり、「今さらそれ言う?」と言われればおしまいですが、パソコンとの接続端子は未だに「WM-PORT」です。世の中、USB Type-CとLightningの2強時代に突入しているのに、なぜWM-PORTなんでしょうか。WALKMANを持ち運ぶと必然的に1本ケーブルが増えるという自体を防ぎたい…。スマートに暮らす21世紀なんだしさぁ…。

 

NW-ZX300はコスパ最強!

NW-ZX300は現状のデジタルオーディオプレイヤー(DAP)の中でコスパ最強と言えます。

主軸は高音域に置きつつも、中音域や低音域の改善を行ったことで音質のトータルバランスがボトムアップされています。どの音域も妥協せずに作り込まれています。

バランス出力に対応したことにより、イヤホンのリケーブルによる音質の違いを感じることもできるようになり、今まで以上に「趣味」として音楽を楽しめるようになっています。NW-ZX100をお持ちの方も買い替える価値は大いにあると思います。

 

 

音質に関しては個人差があるため、ソニーストアでタッチ&トライをすることをオススメします。

 

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