SONYが2021年6月25日に発売した完全左右独立ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を購入したので、備忘録を兼ねてレビューします。結論から言うと現状で市販されている完全左右独立ワイヤレスイヤホンの中では“最強音質”だと思います。

本体とケースの小型化により使い勝手アップ!

約2年ぶりにSONYから左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」が2021年6月25日に発売されました。

前モデルのWF-1000XM3と比較すると、音質、ノイキャン性能、アプリ性能、携帯性、そして使い勝手が段違いで向上しています。

 

早速、開封します。ちなみにWF-1000XM4のパッケージはSONY初となる“脱プラスチック素材”の第1号機です!

このパッケージは竹やサトウキビなど再生可能な素材を原材料にした「ブレンディッドマテリアル」が採用されており、耐久性の高いソニー独自開発の紙素材です。

 

そして、何よりWF-1000XM4のパッケージは超コンパクトです。比較的パッケージが小さいとApple AirPods Proと比較するとよくわかります。パッケージは本体より二回り程度大きいレベルに留められているため、パッケージを捨てずに家で保管できます!いつか売るためにパッケージを家に保管したいと考えているお父様方に必見ですね!
本当はWF-1000XM3と比較したかったのですが、先に売却してしまいました。

 

 

パッケージを開封すると早速イヤホンケースが見えます。WF-1000XM3であれば、イヤホンケースとイヤホン本体は別々に包装されていましたが、WF-1000XM4では最初からイヤホンケースの中に“イヤホン本体”が収納されています。

 

 

 

イヤホンケースの下にはマニュアル、充電ケーブル(USB Type-C)、イヤーピース(S/L)が収納されています。

 

 

イヤーピースはイヤホン本体にMサイズが装着されており、パッケージの中にはSサイズ・Lサイズが同梱されています。WF-1000XM4からはウレタン素材の“フォームタイプ”のイヤーピースとなります。WF-1000XM3で同梱されていたシリコンタイプは同梱されていないため、どうしてもシリコン製が良いという方はサードパーティ製を別途購入する必要があります。

 

イヤーピースはウレタン素材ですが、シリコン系のようにゴムのような反発力・弾力があります。私のようなウレタン素材のイヤーピースが苦手な方でも満足レベルです。また、耐久性もある程度担保されていますが、紛失時や劣化時にはECサイトや家電量販店で購入もできます。

 

イヤホンケースは傷が付きにくい素材となり、WF-1000XM3のように天板が悲しいレベルで傷つくことがほぼ無くなりました。また、イヤホンケースが自立できるようになりました。(XM3では自立しませんでしたね…)

 

イヤホンケースを開くと手前のLEDライトがカッコよく光ります。イヤホン本体をケースにセットしている状態では、充電が満タンな時はグリーン”、充電が94%以下の時は“オレンジ”に点灯します。

イヤホンケースには強力な磁石が採用されており、イヤホンを近づけるとマグネットのようにイヤホンがケースに収納されていくのでイヤホンが落下するなどの心配がありません。

 

黒い丸い面全体にセンサーが搭載されており、タップすると様々な操作が可能です。専用アプリで動作を変更できますが、プリセット状態では右イヤホンが“1回タップ”で再生/一時停止、”2回タップ”で次の楽曲再生、“3回タップ”で前の楽曲再生、“長押し”で音声アシスタント(Siri/Google)の起動。

左イヤホンが”1回タップ”ノイズキャンセリング/外音取り込みの切替、“長押し”でクイックアテンション(一時的な外音取込)となります。

金色の丸い金属部分が“フィードフォワードマイク”で、Type-Cのような形状な金属枠が“フィードバックマイク”です。

 

 

イヤホンの内側には充電マグネットとセンサーが搭載されています。センサーでは装着有無を判断しており、イヤホンを耳から外した際の楽曲一時停止やスマホスピーカーとの切替機能の役割を担っています。

 

 

アプリ連携×史上最強のノイキャン性能で本物の静けさを実現!

SONY製イヤホンの代名詞となりつつある「ノイズキャンセリング性能」ですが驚くほどのレベルで進化しています。コロナ感染対策で電車やバスの窓が開いていることも多く、以前と比べると電車内の騒音は倍以上となりました。試しにJR京浜東北線に乗車してノイズキャンセリングを試してみましたが、音楽を掛けていると電車の走行音はほぼしないため、本当に電車に乗車しているのか分からないレベルで驚きました。

 

 

次に交通量の多い大通り沿いで試しましたが、車の音のような不規則な音は僅かに聞こえるものの、しっかりと遮音していました。

 

データセンターのようなサーバー群に囲まれている環境では、音楽を再生していない状態でもほぼ無音でした。

 

 

ダイソンの掃除機、ドライヤーの音は音楽を再生していない状態では2/3程度は軽減されていますが、音楽を掛けると微かに聞こえるレベルまでノイズキャンセリングが働きます。WF-1000XM3やAirPodsのノイズキャンセリングで満足していた自分が甘かったなというほど感動しました。

 

 

iPhone・Androidで用意されている専用アプリ「Headphones」と「WF-1000XM4」を組み合わせて使うことで、自分好みにカスタマイズすることができます。

自分に最適なイヤーピースの測定もアプリで出来るので、Sサイズ・Mサイズ・Lサイズのどれが最もフィットするかをアプリが教えてくれます。

 

 

プリセットの操作方法もアプリ上で把握することができます。必要に応じてボタンの動作も変更できます。

 

 

Headphonesアプリのホーム画面では、イヤホンとケースのバッテリー残量を1%単位で把握できます。外音コントロールもアプリ上で操作でき、ノイズキャンセリング・外音取り込み・オフの3種類から選択できます。

 

 

イヤホンをつけたまま会話ができるスピーク・トゥ・チャット機能が搭載されています。イヤホン装着者が声を発するだけで、イヤホンが話していることを認識し、瞬時に音楽を止めイヤホンをしたまま会話ができるようになります。また、一定時間経つとスピーク・トゥ・チャット機能がオフになり、再び音楽が再生されます。意外とこの機能がかなり便利です。

 

曇りのないクリアな最高音質に!モニター系な音質にシフト

高音域の音質:★★★★☆

WF-1000XM3と比較すると、かなり鮮明なクリア系の音質になりました。ピアノの音のような楽器では、音の輪郭がハッキリと鳴り響き解像度が高くなっています。SONY特有のドンシャリ系の音から原音に忠実なピュアサウンドよりな音にシフトしていることが分かります。

ピアノが含まれる楽曲には非常に相性が良いと思います。

その判明、高音域の伸びが少し足りていません。この辺りはイヤホンのドライバーサイズから考えると、構造的に限界だと思います。

少し辛口な評価となりましたが、現行完全ワイヤレスイヤホンの中ではトップクラスにいることは間違いないです。5点満点の4点です。

 

中音域の音質:★★★★★

高音域や低音域に埋もれることなく、ハッキリとした音質となっています。ボーカル > 楽器 という感じで、ボーカルをより際立たせる音作りとなっています。良い意味でライブ寄りな音質となっており、ボーカルの声がバランスよく響き渡ります。ヘッドホンに迫るレベルの完成度です。5点満点の5点です。

 

 

低音域の音質:★★★★★

EXILE・TRFのDJ KOO・湘南乃風のようにノリノリな楽曲にピッタリなドンシャリな“SONYの低音”の面影は一切なく、透き通った原音寄りの“ピュアな低音”がします。First Takeのようにボーカルがバンド演奏し、ボーカルが歌うような“動画+音楽”であれば疲れない心地よい低音に感じます。しかし、WF-1000XM3と比較すると低音の音量が不足しています。この辺りはアプリのイコライザで補填すれば、WF-1000XM3と遜色ないレベルまで戻るため、5点満点の5と評価しました。

 

全体的な音質:★★★★★

全体的な解像度が向上し、立体感がある音質にシフトしています。音楽を“聴く”から音楽を“体験する”という音作りに変わっているように思えます。星野源などのリズミカルかつ低音多めの曲、清水翔太のようなボーカルは高音でベースの低音が鳴り響く楽曲に、ベストなイヤホンです。またブルーノマーズの楽曲にもピッタリです!

iPhoneやAndroidに専用アプリ「Headphones」をインストールすることで、MP3などの音源をハイレゾ相当にアップコンバートする「DSEE Extreme」を利用できます。こちらを利用すると高音域が伸びるようになるのと同時に、より音の立体感が上がります!

 

 

マイクが大幅に改良され、外での移動しながらの通話時の風切り問題も改善しています。また、通話中は周囲の雑音もキャンセリングされるため、テレワーク用のイヤホンとしても活躍できそうです!WF-1000XM4は単にノイズキャンセリング機能が優れているだけではなく、音質も大幅にパワーアップしたことで唯一無二の完全ワイヤレスイヤホンの立ち位置を確立しました。前モデルのWF-1000XM3ユーザー、AirPods Proユーザーなら買って後悔はないコスパ最強のイヤホンと言えるでしょう!

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